大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ラ)308号 決定

抗告人は、本件仮処分の執行された本件馬車三台の構造は、抗告人の有する前記実用新案権の権利範囲に属するもので、かつ、相手方の有する前記意匠権の権利範囲を逸脱したものであるから、本件仮処分の執行は許さるべきである旨主張するが、本件馬車三台の意匠は、いずれも相手方の有する意匠権の権利範囲に属することは前段認定の通りで、また、仮処分命令を不当ならしめる実体法上の理由がある場合でも、別にその理由に基いて、その仮処分命令またはその執行の取消を求めるならば格別、右仮処分命令の効力を阻害する別個の仮処分命令を得、これを執行することによつて、所期の目的を達成するが如きことは許さるべきではないから、本件馬車の構造が、抗告人の有する実用新案権の権利範囲に属しているとしても、そのことの故に本件仮処分命令第二項による本件馬車に対する前記の執行が許容されるものではない。よつて抗告人の主張は理由がない。

(内田 鈴木貞 入山)

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